サイジニアの技術は世界初です。独自に開発されたこの技術の根幹は、複雑ネットワークという21世紀に注目を集める先端サイエンスと、“Crowd Computing™” (※)という自己学習型システムアーキテクチャーの融合にあります。これは、協調フィルタリングをはじめとする旧来型のレコメンデーションロジックとは根本的に発想が異なる業界唯一のテクノロジーです。
現在市場に出回っている既存の手法は、今を遡ること数十年前、20世紀に生まれた古典的情報科学の理論がベースになっています。統計分析、行列演算、テキスト解析、手法は多々あれど、いずれの場合も情報はコンピュータが扱いやすい形でデータ化され、そのデータひとつひとつの中に説明因子を求めるアプローチです。これに対して、サイジニアのデクワスは自然科学的なアプローチです。この技術は、各要素間の関係に注目し、その関係が変化していくダイナミクスと、大量にデータを集積した時に生じる自己相似型の構造特性を利用して、嗜好の類似したユーザ同士やアイテム群を抽出すべく仮想的な“コミュニティ”を作り出します。
たとえば、ある映画レンタルサイトを例にとって実際の解析手順を説明します。今、ユーザAが映画1を見たという行動履歴に注目し、これを有向グラフの形式で表現すると図1のようになります。
やがて、多くのユーザがさまざまな映画を見ていくと、巨大な二部グラフができあがります(図2)。
この時、同じ映画をみたユーザ同士をつないだり、同じユーザによって視聴された映画同士をつないでいくと、それぞれユーザ間の関係性やアイテム同士の関係性が可視化されます。

この例では、説明を非常に単純化していますが、実際に得られるのは、図3のような巨大な複雑ネットワークです。しかしながら、一見すると複雑なネットワークも、大量のデータの集合体とみなせば、極めて普遍的な、ある共通の特性を有することが知られています。これは、ノードとリンクの関係を次数分布という視点で調べると、べき乗則に従っているという現象です。(図5)
21世紀に発展した複雑ネットワーク科学の分野ではスケールフリー性とも呼ばれるこの特徴は、多種多様な消費活動において何らかの自己相似的な行動パターンが存在することを示唆するものです。
サイジニアのデクワスは、このような構造特性を前提としたコミュニティ分割の手法を開発しました。この手法により、各ユーザごと、あるいは各アイテムごとに、互いに類似する要素群をコミュニティとして抽出することが可能になります。(図4)

スケールフリー性という性質は、言語やアプリケーション、業種業態を問わず、我々が普段何気なく過ごしている日常生活において、広く観察される非常に普遍的な現象です。サイジニアの解析技術は、このような概念を基礎としているため、国内外を問わず、PCからモバイルのECやメディア、SNSにおいてもサービス提供が可能となっています。
消費者の嗜好は移ろいやすく、常に興味関心は変わっていきます。
そのような消費者に対して、サイジニアのデクワスはどのようにして常に効果的なレコメンデーションを提供し続けることができるのでしょうか。
その答えが、Crowd Computing™という集合知を活用した自己学習型のメカニズムにあります。
Webサイトは通常、最も効果的な導線を想定して制作されますが、必ずしもユーザはその通りに移動しません。目の前に提示された情報の中から自分の直感(あるいは気分)に従って、最適と思しきリンクをクリックします。デクワスがお薦めした情報に対しても同様です。この時、ユーザがレコメンデーションに対して取りうる行動(クリックする/しない)をフィードバック情報として取得し、次回のコミュニティ分割の時に利用するのです。(図6)
実際に、顧客事例をみると、この手法の効果がはっきりとわかります。図7は、あるDVDレンタルサイトにおいて、クリック率(CTR)がどのように変化したかを調べたものです。サービス提供当初は2%に過ぎなかったCTRが、サービス提供から約1年後には10%を超えるまでになりました。このように、データがたまればたまるほど、デクワスはユーザの購買心理を深く理解し、変わりゆく消費動向に対しても素早く適応して、持続的な効果の向上を達成することができるのです。

※Crowd Computing:サイジニア株式会社の登録商標。クラウド(Cloud)上のユーザ行動履歴から集合知(Wisdom of Crowd)を生成、レコメンデーションを行い、ユーザの選択結果をフィードバックしてシステムロジックを自動的に更新する計算手法。



